【遺留分減殺請求】父親が先日亡くなりましたが、遺言を作成していたようで、愛人に全ての遺産を遺贈するという趣旨のことが書いてあるようです。どうしたらいいでしょうか。
A
遺留分の減殺を愛人に請求することを検討すべきです。遺留分とは、相続人が相続できる最低限の取り分のことで、亡くなった方の配偶者や子などに認められます。
Qのように遺留分を侵害する遺言があるときは、受遺者に対し、遺留分を侵害した部分について減殺(返還や取戻し)を請求することが可能です。遺留分の割合は子だけが相続人の場合には、本来の法的相続分の2分の1です。
親子もしくは兄弟間の確執、もしくは愛人などの出現で、被相続人が一部の相続人ないしは相続人ではない人に遺産を全て譲り渡すという趣旨の遺言書を作成してしまうと、遺言書で受け取る遺産がゼロもしくは極めて少ない場合、遺産をもらえない相続人は、困ってしまいます。もしくは、これにより兄弟の確執をより深いものにしてしまいます。
この場合、ほとんどもしくは全く遺産を受け取ることのできなかった一定の相続人は(兄弟姉妹を除きます)、遺産を譲り受けた人に対して、民法で定める一定割合の遺産を請求できますが、これを遺留分といいます。
遺留分は、遺留分が害されたことを知った時から1年という消滅時効がありますので(民法1042条)遺留分減殺請求権の行使方法やその解決の見通しなども含め、早めにご相談ください。